感動と緊張



今年は数年前から県と市町村が準備を進めてきた、「よさこい高知国体」の行われる年であり、9月には夏季大会が行われ、今月10月には秋季大会が行われている。
そして、この秋季大会には開会式に天皇皇后両陛下が出席されるのではないかと思っていたが、高知を訪れてくださると僕が知ったのは、開会式の数日前の事である。
しかも、僕が仕事をしている店のすぐ近くにある県庁を訪問する事から、少しでも両陛下の姿を見る事が出来ればと思っていたのだが、仕事の最中にはやはり行きにくいなと前日までは諦めていたのだが、当日となると両陛下の姿を見たいという思いが勝ってしまう。
そしてその日は県庁の中にも入ってしまい、両陛下が来られるのを出入り口のすぐ近くにも立って待っていると、両陛下の乗られた車はやってきて、少し距離はあったけど僕達の立っている前をゆっくりと通って行って下さった。
本の数秒の時間だったのかもしれないけれど、両陛下の姿がしっかりと見られた事に感動してしまった。

そして翌日である。この日は五台山の竹林寺へ写真を撮りに行くつもりだったのだが、両陛下も竹林寺のすぐ近くにある牧野植物園へ訪れる事を知っていて、もう一度その姿を見れるのかなと思ったりしていたが、僕が竹林字へ着いた時には既に植物園に入っていたみたいだ。

だが、竹林寺からの帰りの事である。電車通りに出ると、なにやら制服、或いは腕章を付けた私服の警官が歩道に何人も立っている。もしかすると、両陛下が通られるのではないかと思い警官に聞いてみると、国体の開会式への出席からの帰りに通るとのことでその時間も教えてくださったが、これは僕と同じく両陛下を姿を見たいと思っていたんじゃないかと思う親に伝えてやらねばと思い、知らせておいたが、その時間の手前に改めて行ってみると母が行っていた。
すぐに人の集まっている場所を見つけ、最前列に場所をとって母を立たせて一緒に見たが、前日と違って車はすぐ目の前をゆっくりと通ってくれて、両陛下の姿をすぐ近くに見た時は、思わず緊張してしまった。

この2日間の事はほんの短い時間の出来事だったのだが、僕にとっては大事な思い出である。前日まで悩んだりしてたけど、やはり思い切って見に行って良かったなと思っている。



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