再会



昔からの持病の影響もあって、数年前から高知市から離れた病院に入院している叔母がいる。入院するまでは、よく叔母のとこへ行っていたのだが、 入院してからは、一度も会っていなかった。
休日には、行こうと思えば行けない距離ではないのだが、これまで何故だか積極的にはなりきれず、一度も見舞いに行っていなかった。

2日前の5月23日の事。病院から母に連絡があったらしい。叔母の状態について知らせてくれるものだったようだが。その内容を聞くと、かなりよくない状態ではないかと思えた。
これまで一度も見舞いに行っていない事を悔やんでしまう。行かなくては。そんな思いが一気に高まってゆく。

そして昨日、初めて叔母の入院している病院へと向った。すっきりとしない天気である。
雨が降るかもしれないなどと考えて、最初は汽車で行こうかとも思ったが、結局はバイクで行く事になる。
やはり、汽車よりもかなり早く着く事は間違いなかったし、出来るなら雨などには降ってほしくないと思いつつ、最終的には開き直った気持ちとなってしまっていたろうか。どうなってもかまわない。
ただ、早く着きたいという気持ちが、強かったのかもしれない。

病院の場所は、前夜に一応ネットでチェックしていたのだが、その場所に着いてみると、国道から抜けて行く道がどこにあるのか、中々分からず、知らぬ間に別の自治体にまで進んでいて、慌ててUターンしてしまう。
その後、何とか抜ける道を見つける事ができ、やっと叔母のいる病院に辿り着いた。

叔母に会ったのは何年ぶりだったろうか。久しぶりに会った時、数年前の姿とは大きく変わっていた。もの凄く痩せていた。あの頃に比べると、体力もかなり衰えてしまっている感じだった。ほんの数年前、あれだけ元気だったのに。そんな事を思ってしまう。
だが、母から聞いた事からイメージした状態ではなかったのだ。この時に、ホッとした気持ちとなった。

どれ位の時間、会話を交わしたろうか。時には会話が途切れてしまう時もあったり、笑顔を見せ合いながら語り合う事もあったり。
思わず、これまで一度も見舞いに行かなかった事を謝ってしまう事もあった。

叔母が、「もう年とったで」と言った時に、思わず「僕も年とったで。今年で40になるがやき」と言ってしまっていた。
この時に、もうかなりの高齢となってしまっていたんだなと感じさせられてしまった。

過去に、何度か親戚の方々を失ってきているが、やはり親しいものを失ってしまう事は非常に辛い事である。叔母には長生きしてもらいたい。一日でも長く。そう思えてならない。


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