おめでとう、立浪



7月5日、東京ドームでの巨人戦でドラゴンズの立浪が、プロ野球史上30人目の2000本安打を達成した。この試合、NHKが中継してくれていて、立浪のそのシーンを観た時は、思わず感動である。
前日の試合が終わった時点で、立浪の安打数は1997本となっていた。後3本である。立浪なら、きっと東京ドームでの2000本安打達成は間違いないと思っていたのだが。

この試合、巨人の先発は左腕のラスであったのだが、第1打席に2ベースを打ち、第2打席は外野フライとなったのだが、第3打席はまた2ベースを打って、後1本というとこまで進み、第4打席が回ってきたのは8回の表だった。
井端がヒットで出塁し、福留が四球を選んだ。ノーアウト1塁2塁という場面で、あの打席は回ってきたのである。いつもなら、ただタイムリーを打ってくれと願いつつ見ているのだが、この時はそんな事より、もただただ立浪が2000本安打という大記録を達成する事を願っているだけだった。

相手投手は、2年目の林。何球目だったろうか。投げた球はストレートだったと思う。打った瞬間、立浪のすぐ手前でバウンドした。思わずやばいと、顔をしかめてしまったのだが、画面が変わると、打球は一塁清原と2塁の間を抜けていったのだ。思わず、テレビに向って「やったー!!」などと叫んでしまっていた。

立浪が入団したのは、星野が監督となって2年目の年である。前年のドラフトでは、南海(現ダイエー)と共に1位指名してしまい、抽選で星野が勝った事を今も覚えている。
立浪はこの年の高校野球で、PL学園で春夏連覇をした時に6番を打ち、主将をしていた選手だった。だが、ドラゴンズが指名するまで全く感心を持っていなかった選手だったのだ。この時のPLなら、先発をやっていた野村や抑え役立った橋本、主力を打っていたはずの片岡に感心を持ってはいたのだが。

やはり、星野の持つ選手の能力をを見極める眼力は鋭かったのだろう。何と、高卒ルーキーでありながら、開幕から2番ショートで使われていたのだから。そして期待通りに活躍してくれた。しかし、2年目には故障をしてしまい、僅かの試合しか出ずに終わってしまう。

1年目で活躍しても、2年目で活躍できずに終わってしまった場合、そのまま消えていく選手が多いのだが、立浪は違った。故障を克服し、3年目の開幕から見事に復活したのだ。そして、多くの故障に苦しめられながらも、これまで安定した活躍をしてきている。

7月5日の記録の達成は一つの通過点に過ぎない。彼はまだ、何年も現役の選手としてやっていけるのだ。更にヒットを積み重ね、高木の持っているドラゴンズの安打記録を塗り替え、更には日本記録を持つ張本にも追い付くつもりで、1年でも長く続けていってもらいたいと思う。

一人のドラゴンズファンとして、心より「おめでとう」といいたい。


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