ピカソ展が行われると知ったのは先月の初め。 テレビで流れているCMを見た時だったが。期間は4月10日から5月23日。 だがこの時は、まさか本物のピカソの絵画が高知へ持ってこられるとは思ってもいなかったし、 何をやるのかなと軽く思ってたりしたのだが、何時頃だったか、本物のピカソの絵画の展示によるピカソ展が行われるという事を知った時に、非常に驚かされると同時に、多くのピカソの本物の絵画を 間直に観賞する事が出来るなんて、これが最初で最後のチャンスかもしれない。 そのように思えてくると、行きたい気持ちはどんどんと高まってくるもので、絶対に行かねばと思うようになっていたのだが、最終日の前日である 5月22日に、遂に行った。 会場に展示されていた作品は、彫刻も含めて130点。 最初に見たのは、1917年に描かれた「座る男」という作品。ここから、一つ一つの作品をじっくり観賞しながら、ゆっくりと進む事になる。 正直言って、ピカソが何をイメージして、何を描いていたのか、僕などには理解しきれるものではないが、ほとんどの作品にとてもひき付けられてしまった。 また、人物、それも女性をモデルとした作品が多く展示されていたが、 どの作品も、とても豊かにその女性の表情が描かれていたと思う。特に、目と口に。 その女性を描いている時、ピカソはその女性から何を感じていたのだろうか、その時にピカソはどのような心情にあったのだろうか、などと 思いつつ、じっと見入ってしまっていたが。 中でも、とてもひき付けられてしまった女性の絵画があった。タイトルは忘れてしまったが、油彩のカンヴァスで、正面を向いた女性の顔。 背景は暗い雰囲気。何かを悲しんでいるのかと感じさせる顔の左目から、一粒の涙が落ちているように見えた。この女性の姿に、何故だかじっと見入ってしまっていたのだが。 逆に1936年に描かれた「緑色の鼻孔の女(深い青を背景に)」という作品の女性は、とても楽しそうに描かれている事が印象的で、この作品にもとてもひき付けられていた。 また、1933年に鉛筆で青色のフランス紙に描かれている「二人の戦士と頭部(『平和の女』)」、『三人の戦士と頭部(『平和の女』)』そして、「女の平和の為の習作」の5作品。 最初の2作品は、戦士と転がっているように頭部が描かれていて、後の5作品では、何か武器を持ち戦おうとしている女性が描かれていた。 「ゲルニカ」でも 戦争への怒りが描かれていたと思うが、もしかしてピカソには同じ様な思いがあったのだろうか、その様な事を思いつつ、見入ってしまっていたが。 第2会場の後半となると、晩年の作品が展示されていたが、ほとんどが男性をモデルとした絵画。1971年7月11日に描かれている「パイプをふかす男」にとてもひかれてしまう。 地味な作品だったと思うのだけど、何故だかその男性の姿にひき付けられてしまっていた。 そして最もひかれていた作品はが、1970年に描かれている「闘牛士」だった。縦が195cm、横が130cmという大きなカンヴァスに、1人の闘牛士の姿が描かれていた作品だが、これは凄かった。もうなんと表現していいのか、あの作品を見ていた時の気持ち。 もしかすると、この作品の前には何分も立っていたのかもしれない。何よりも、 優しそうで、楽しそうで、とてもいい雰囲気を感じさせてくれる闘牛士のあの表情に最もひき付けられていたのかもしれない。 そして会場を出て、何気なく時計を見てみると1時間半位も会場にいたことに気づいて、思わず驚いてしまったのだが、そんなに時間を感じさせてくれ無い位に夢中にさせてくれていたのだろう。 本当に、今回のピカソ展は最高だった。 |
|
|