予想外の展開



今では、完全な夏の風物詩となっているのではないかと思われる夏の甲子園が、今年も8月6日に予定通り始まった。
今日は、まだ2日目だが、 初日からそれぞれの地方大会を懸命に勝ち抜いて得た甲子園に出場する権利を得た高校球児達が、悔いの無い様に、 甲子園でも悔いの無い様に必死のプレーを行っているのではなかろうか。

だが、今回の大会においては正に予想外な展開が発生したのだ。大会の2日前の事だったが、 突然に高知代表である明徳義塾が出場辞退を表明したのだ。
この情報を知った時には、信じられず、ただ唖然とさせられてしまったが。 そして、当然だがどうして明徳が事態をしなければなら無いのかを全く理解できなかった。
だが、後から地方大会が始まる以前に、 一部の部員による喫煙や暴力行為が行われていたと言う事が、今月に入って突然に明徳以外の外部の者から高知の高野連に通達され、 そして日本高野連からその情報が事実か否かの確認が行われたという。
そして、明徳は認めると同時に、自ら出場辞退の申し入れを行ったらしいのだ。

確かに部員の行動に関しては、高野連に明徳自ら伝える事無く、内部で丸く収めようとした行為には問題があったのかもしれない。だが、 それは学校が問われるべき責任ではないのか。
まして問題の行為を行った部員で甲子園のベンチに入っているのは補欠の3名だけと言われている。 と考えれば、地方大会でも甲子園に出場する権利を得る為の試合に挑んだ部員達に今回の問題に関する責任は果してあったのだろうか。
無いのではないかと思う。にも関わらず、まるで連帯責任を取らせるかの様に、何故学校側は出場辞退を申し出たのか理解しきれない。
出場するか否かは、学校自ら判断するのではなく高野連の判断に任せても良かったのではないかとも思えるのだが。

まして、今月に入っていきなり明徳の内部の情報を通達して者は一体何を意識していたのだろうか。
今回問題となった一部の部員による行為は、 地方大会が始まるかなり以前から行われていた筈の行為であり、通達した者は最近になって知ったのでは無く、かなり以前から知っていたのではないかとも思えるのだが。 だとしたならば、何故もっと早くに通達する行為を行わなかったのだろうかと思えてならない。
通達される以前に、もう明徳の選手達は皆すでに西宮に向っていたのではないのか。そして、抽選会によって初戦の相手高も決定し、 他校の高校球児達と同じ様に甲子園で悔いの無きプレーをする為にはつらつと練習に励んでいた筈である。
そんな彼等に、突然に出場辞退の知らせが入れば、正に彼等にとっては天国から地獄へと叩き落されてしまう、その様な心境となってしまったのではないのだろうか。 ただ、残酷としか言い様が無い。
通達した者も、その行為が選手達をどの様な心境に導いてしまうかはある程度理解出来ていた筈だ。にも関わらず、あの様な行為をしたその心理が、やはりどうにも理解は出来ないのだが。

また、明徳の出場辞退を知った時には、高知の代表はどうなるのだろうかと思ってしまったが、やはり準優勝をした高知が出場する事となった。
だが、高知は地方大会が終わった段階で旧チームは解散し、新チームを構成して活動をしていた筈であり、地方大会を戦い抜いた旧チームのレギュラー達はかなり練習もしていなかった筈であり、 甲子園ではどれだけ本来の力を発揮出来る様になるのか不安を非常に感じさせられてしまうのだが。だが、彼等も彼等なりに頑張って悔い無き試合となる様に頑張るろうと試合に挑むのではなかろうか。
そして、高知の者として、そんな彼等を懸命に応援したいと思っているのだが。

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