タイガーマスク現象



2010年クリスマスの日、12月25日に群馬県の児童養護施設の正面玄関へいつの間にか ランドセル10個がプレゼントされていた。
封筒に入れられたカードには「子供達の為に使ってください」とし、 自らを「タイガーマスクの主人公伊達直人」と称していた。

これがきっかけとなって、「タイガーマスク」と同じく匿名により児童養護施設へ寄付が行う 人々が活発に行われるようになって行き、「タイガーマスク運動」と称される社会現象が発生した。

最初の方に習って、「伊達直人」として施設へ寄付している人々が多くいたのではないかと思うのだが、 時が経つに連れ地域によって異なる匿名により寄付される人々が多くなっていったんじゃないだろうか。

寄付される物は決して「ランドセル」には拘らず、各個人が判断して「現金」や色々な物を地元や、 或いは関わりのあった養護施設に贈っていたんじゃないのかな。
そして、タイガーマスク運動によって非常に 注目されるようになったのは、児童養護施設ではなかっただろうか。

このタイガーマスク運動なんて事が起こるまで、養護施設に関わっている人々は少なかったろうし、 施設に関心を持っていなかった人々が殆どじゃなかったのかな。
だけど、この事からメディアが一時だったかもしれないが活発に報じるようになっていた。

児童養護施設への入所理由は「児童虐待の防止等に関する法律」が平成12年11月施行されるまでは、 親の病気や家庭の困窮などが主な原因だったらしいが、児童虐待防止の法が施行されてから被虐待児が急増しているらしい。
だが、全国児童養護施設協会にあるグラフを見れば、12年からでは無く、11年から急増しているのではないかとも思えるのだが。

そして現在の入所理由の半数以上が、虐待の経験を持っている子供達らしい。

また、タイガーマスク運動により、一時かもしれないが児童養護施設が大きく注目されるようになった。
その事により、養護施設は子供達が保護される場と強くイメージされていたと思うけれど、 あの場でも僅かかもしれないが、過去から虐待が行われていた事が多くの人に知られる事となったのかもしれない。

このタイガーマスク運動による児童養護施設への匿名を用いた寄付行為。
これを児童虐待を受けた 子供たちへの同情、純粋な寄付は初期の頃だけでその後は遊び感覚が重なっているのではないのか、 匿名よりも実名で行うべきではなかったか、そしてこの行為は一方的ではなかったのか、と色々と言われている。

だが、これらは第三者の勝手な憶測といっていいんだろうな。色々な「伊達直人」達が どの様な意思で寄付行為を行ったのかは、当然だが本人にしか分からない。
寄付をする時には匿名では無く、実名だと拘る人々もいる様だがその様な必要など無いだろう。
送る側の気持ちを、受け取る側がどの様な気持ちで受け取るのかが大事なのではないのだろうか。

全国児童養護施設協議会はタイガーマスク運動による発生した全国的な寄付行為を大きく歓迎し、 サイトに「児童養護施設へのご厚意にかかわるお願いとお礼」と書いた。寄付への感謝と養護施設の現状、そしてお願い。

児童福祉法第41条などによって児童養護施設は国や自治体に購入を厳しくチェックされており、 それぞれの支出金を自由に使いきれないらしい。
だから、これまでも施設の為にも子供達の為にも自由に使える事となる寄付を求めていたし、 これまでにも多くの人々が寄付を行って来ていたらしい。

だが、今回のように直接、しかも知らない間に行ってくれるなんて事は初めてな事なんだろうか。
2つのお願いが書かれてある。近くに養護施設があるとき、或いは無い時。

近くに無い場合には、共同募金会など仲介を通じての寄付を求めているし、今回の様に近くの 養護施設へ直接の寄付行為なら、事前に問い合わせをして頂くと嬉しいとある。そうすれば、 よりその寄付行為を活用する事が出来ると。

タイガーマスク運動が起きる以前より、直接問い合わせを行い、実名・匿名のどちらかで寄付を行っていた 人々はいたんじゃないのかな。
ほんの一寸した物でも、問い合わせでであれ、一方的であれ暮らしの為に 贈ってもらえれば、その事を嬉しく思って思っていたのかもしれない。

自分は「伊達直人」になった者ではないけど、伊達直人やその他になった人々は施設に暮らす 子供達の生活に少しでも役立つ物を贈りたいと思い、色々な物が寄付されていたんだろうと思う。
「現金」や「おもちゃ」、 「筆記用具」そして最初に贈られた「ランドセル」やその他の色々な物。

「伊達直人」が毎年出現するかどうかは分からないけれど、今回の様にマスコミが騒ぐような事で 無くてもいい。だけど同じ活動が根付いていってもらいたいね。

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