患者の権限



病院へ診察を受けに行っている患者。この者達には、病院側の看護士や医師に対し文句を言う、 不満をぶちまける事が許されていないのだろうか。

自分は10代後半より一つの持病により、これまでに3つの病院を回ってきた。 土佐病院、高知大学付属病院、そして細木ユニティー病院。持病は癲癇。

付属病院へ移るまでは、その症状はとても酷く、1月で意識を失う状態となるのが15回以上は確実にあったし、 意識を失うまでは行かないが苦しい状態に追い込まれていた事も含めれば、毎月30回以上あった。1日に8回もあった事も記憶している。

土佐病院では何度も脳波の検査なども行ったが、医師の説明では毎回異常が無い。 だが、癲癇として1錠の薬が毎回の診察で出されていた。信じて呑んでいたんだが、 余りにも状態が酷く、自分から診察を付属病院へ移してもらいたいと希望すれば、紹介状を書いてくれたよ。

付属病院へと移れば、薬の内容が全く変わる。そして一気に発作の回数が1桁へ減少した。 その後、何度か薬の組み合わせを変更されていたが、発作の回数は4〜5回と安定した状態となり、 生活もかなり楽な状態となったんじゃないかな。

だが、昨年の4月に担当医の医師が付属病院から去るという事となり、 細木ユニティーの医師へ紹介状を書いてくれた。
そして昨年4月から、 細木ユニティーへ通う様になる。
昨年の暮れ辺りまでは、安定した状態が続いていたろうか。 だが、徐々に薬の量が増加されていき、今年の1月には非常に体が重く感じる状態となり、 その事を訴えると薬を減少して行ってくれた。

だが、いつの間にやら強い副作用が感じさせられる様になり、 その事も訴えれば医師が副作用の状態を確認して、薬を変更して行ってくれた。
それにより、 強い副作用は消えたが、医師の確認によれば完全に消える事は無かった。この副作用を訴えた頃から、 毎回薬の組み合わせを変更したり、時には減少し、増加する処方を行っていた。
薬を活発に変えられると、飲み始めた頃に集中的に起こる様になっていた。そして、 月の回数は4〜5回。
だが、医師は月単位では無く、診察間の回数を確認していた様で、 自分が報告する回数と医師の確認する回数には何やらズレがあったみたい。

回数は変化していないのに、いつの間にやら減少しているだろうと判断される様になっていた。

そして12月1日に診察が行われたが、この時にもまた薬の変更があり、 10代の頃より呑み続けていた「寝る前の薬」が削除された。
付属病院に通っている時には、 この薬に関し担当医から聞かれた事がある。外してもいいだろうかと。 自分としては長い間呑み続けているものだから、出来れば外してもらいたくない。その様に訴え、外される事は無かった。

細木の医師は、1日の問診で先月に薬の変更があってから、 日々体がだるく感じさせられた。更に頭がぼーとする感じとなり、 集中して考える事が出来なくなる。酷い時には、重くなり体全体が最もだるく感じさせられる様になった。 だるくなる、要するに日々疲れた感じがあり、コタツに入って寝転がった時には、思わず居眠りをしてしまうと伝えた。

医師はこれを、昼間だけがだるく夕方には頭が重くなるとして、「寝る前の薬」を削除していたらしい。 自分は医師の判断による処方を信じた。呑む事を止めても「眠れない」事はないと、確実に判断する事があったんだろうと。

だが、どうだろう。殆ど眠れなかった。午前8時前になっていつの間にやら眠りに付いてたみたいだが、 8時30頃にあっという間に目を覚ましている。
起き上がった時に体は強烈に苦しい状態となっていた。
朝食と服用の後に、またコタツに入り寝ようと思うが、起き上がってからの息が荒れた状態が治まらず、 眠れない。
布団の中で、いつになっても眠れなかった時から強い怒りを感じる様になっていた。 思わずコタツに入ったまま、抗議の電話をする。

どうしてこの様な処方を行ってくれたんだと。最初に出たのは受付で、 次に看護士に回されたらしいが、感情は高まるばかりで強烈な抗議を繰り返した。
自分のその時の状態もしっかりと伝えながら。
だが、段々と息が苦しい状態となり救急車で、 救急病院でもある細木病院へと運ばれる。

救急治療を受けているつもりだったが、周りからは笑いながらの語りあいが聞こえてくる。 最初は耐えていたが、何だか我慢できなくなり、ここでも感情的なっていき周りの者達へ抗議を繰り返した。 過去に、他の複数の病院へ救急車で運ばれた事があるが、周りから詰まらない語りや笑いなど聞こえた記憶が全く無い。
こいつらは、患者を真剣に見ようとしているのか。感情は高まっていくばかりだった。 だが、何やら薬を打たれてから、呼吸は落ち着いていき、何だか眠らされているのかなとも思ったが、自分は眠りに付く事は無かった。 その時に、周りの者達は睡眠状態へ落ちたと勘違いしていたみたいだが。

その後に、ユニティーへ送られ担当医の診察を受ける事となる。 そこで担当医であり病院長でもある医師から言われた事が、「患者に看護士へ怒る権限は無い」だった。
病院の中で、患者は何も不満をぶちまけてはならないのだろうか、 どの様な思いにされようと決して怒りを持ってはならないのだろうか。
どの様な状況になろうと、 ただ医師や看護士に従わなければならないのだろうか。

医師は「患者に怒る権限は無い」。ただ情報を伝えればいいと言っていた。
自分は感情的とはなっていたが、自分がどの様な状況となっていたのか、その情報は伝えていた筈だ。
この医師には伝わっていなかったのか。それとも全く無視されていたのか。一応診察を行うんだろうと思い、 布団に入り寝ようとした時からの状況を語り始めるが、途中で薬を変更した理由を簡単に述べ、 「もう診察は行わない」と言い切ってくれた。
自分も即座に承諾する。 「自分が診てもらいたい医者に勝手に診て貰え」といった事を語り、「紹介状は書いてやる」で意味の無い診察は終わった。

現在、自分新たに診て貰う為の医師の検索を行っているが、 どこまでも患者を卑下する様な医師には出会いたくは無い。そう思えてならない。

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